長陽福娘 限定にごり辛口純米山田錦 無濾過生原酒 H23BY
『長陽福娘 限定にごり辛口純米山田錦
無濾過生原酒 H23BY』
ここ最近はせがわ酒店やカネセさんで扱いが始まり大ブレイク中の長陽福娘。の超限定酒、定番の辛口純米の「濁り酒」です。それもただのにごりではなく、槽口から直接汲み取った、いわゆる「直汲み」の濁り酒。スペックは山田錦の60%精米です。
にごり酒を開けた理由はこちら!
今日は楽しいひな祭り~♪
だいぶ経っていますが(笑)、いまだにうちの玄関を飾っています。お節句を過ぎても片付けないと行き遅れるそうですが...
望むところです!
存分に行き遅れなさい。嫁になんぞ出すもんですか!!(笑)
と、世のお父さん方は思っていることと思います。もちろん僕もその一人です(笑)
さて、娘を家につなぎ止めるにはなんと言っても「美味しいもの」です。色気より食い気、ひな祭りのご馳走に腕によりをかけました。
自家製煮穴子たっぷりの、「追い込みちらし」です。具材を煮た煮汁にさらに調味料を足して次の具材を煮て...という手法を「追い込み」と言いますが、具を甘めに炊き酢飯にじゃ砂糖を加えないのが僕が学んだ近茶流のちらしです。きりっとした酸味の経った酢飯に、こちらは甘めに焼き上げた錦糸卵が鮮やかです。元のレシピでは海鮮は入らないのですが、桃の節句の宴に相応しく煮穴子に加え鮪とイクラをちらした一品です。
お造りは左奥から時計回りにボタンエビ、酢締めの春子(かすご)、ホタルイカの生と炙り、鱚の昆布締めです、ボタンエビはそのまま卵を添えて。春子は今回一番の仕事です。ホタルイカは炙るとワタがトローっととろけて酒飲みにはたまりません。鱚の昆布締めはいつもの四谷・すし匠インスパイヤ系(笑) 塩で3分ほど締めたあと昆布締めにして、これに木の芽とスダチを添えて。これは我ながら見事な出来の絶品でした!
と思うと、必ず上の娘が持って行くんですよねぇ...今回も半分以上長女の胃袋に収まりました。
今回の一番お仕事は春子。一見普通の真鯛があるだけに見えますが、左の写真に写っている出刃は刃渡り10cmくらいの小出刃ですから体長15cmくらいのもの。稚鯛の中でも別格の真鯛の稚鯛になります。右の写真の鱚と比べてもその小ささが分かるかと思います。と言ってもこの鱚は鱚で、20cm以上ある特大の鱚なんですけどね。小さくても捌く手間は一緒。鱗を引いて頭を落として背開きにして中骨をそぎ取り塩で軽く締めた後、酢で喉がキュッとなるくらいまで締めていきます。
今回は時間がなくて酢締めにしちゃったんですが、本当はおぼろ漬けにしたいところですね。次回春子が手に入ったら是非トライしたいと思います。ボタンも海老塩とかあぶってみたりとか、いろいろ出来るはず。今回は他が江戸前の仕事がっつり系だったので手が回りませんでしたが、次回こそは是非。
蛤と菜の花の潮汁、もうすぐ春ですね。左は焼き蛤。それぞれ写真にしちゃうとよく分からないんですが...
お椀の蛤が上の小さいやつ、焼き蛤は特大サイズです!どっちも「その手は桑名の」地蛤ですよ。
さて、お酒の感想です。
まずは開栓。「爆発系ではありませんが開栓時には吹き出しにご注意下さい」とラベルが貼ってあります。ま、ひとまずフツーに開けてみます、と。いきなり小噴火(笑) みるみる吹き上がってきて、100cc程吹きこぼれてしまいました。いやはや元気のいいこと。十分爆発系だったんですけど、これ(^^;
こぼれたお酒を拭いて改めて頂きます。噴火したくらいですから、当然シュワシュワピチピチです。香りはフルーティーな香りがうっすらとあるものの立ちすぎず、旨みも輪郭はしっかりしながら濃すぎず。「辛口」の名の通り、すぱーん!、とキレていく後味の綺麗さは絶品です。にごりはさらっとしていて飲み口はあくまで軽くどんどん盃を重ねてしまう危険な感じ。止まりません。これはとんでもなく旨い!
過去最高に美味しかったと書いた而今にごり酒とでさえ、いい勝負が出来る完成度です。
3年前のH20BY、長陽福娘を初めて飲んだのが「西都の雫 純米無濾過生原酒」という酒でした。その覚え書きに「初の長陽福娘。優しく広がる旨口にすっきりきれいなキレ味。好みのタイプの酒。色々試してみる方向で。」とありました。その後造りを追う毎に美味しくなっていましたが、今年は何かブレイクスルーがあったようにすら感じます。今後心配なのは...手に入らなくなるかもしれないと言うこと!小仕込みの蔵だけに、そこが一番心配かもしれません。
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さて、今日で東日本大震災から1年。ついこの間のようでもあり、ずいぶん前のことのようでもあり。ともあれ、こうして旨い酒を飲んでいつも通りの生活が出来ていることの幸せを改めて感じます。
被災地の復興も、地域によってまちまちなようですね。職場に石巻出身の子がいるんですが、気仙沼と比べると港の復興もまだまだ、瓦礫の片付けとかもあまり進んでいないそう。それでも津波の直後と比べればずっと良くなったと明るく教えてくれました。酒や魚を買うくらいしか出来ませんが、風化させずに被災地に思いを寄せることが大事かな、と思っています。
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